
■特 徴 全国の水産練り製品の原料がスケトウダラ等の冷凍すり身に依存している中で、愛媛の宇和島の、八幡浜地域では、エソ、グチ等の生魚を主原料に製造している数少ない県である。そのため、愛媛は量産県ではなく、地方色豊かな、優れた品質の製品を伝統的技法を維持しながら作られていることで全国的に知られている。愛媛県ではこのような事情を勘案し、昭和55年にエソを主原料にしたかまぼこを県の伝統的特産品に指定し、その振興を図っている。 エソを原料とするかまぼこは西日本では多く作られていたが、最近では、愛媛、山口、高知等に限られ貴重な存在である。エソは鮮度がよい時はしなやかな強い弾力を形成し、旨味に富んだ原料であるが、鮮度が落ちると熟練した職人でさえ、品質のよいかまぼこはなかなか作れず、グチに比べるとはるかに使いにくい原料であるといえる。このように、愛媛の練り製品の特徴はエソ等の生原料を伝統的技法を用いているところにある。 ・製 法 ・ちりめん皺 ・揚巻・錦巻 (平成12年5月30日『かまぼこ通信』より) |
■愛媛県工業技術センター 岡 弘康先生について |
かまぼこ紀行は、平成12年5月から7月にかけて『かまぼこ通信』に掲載されました。1937年、札幌に生まれる。1960年、北海道大学水産学部製造学科卒。1960年、愛媛県農産加工指導所研究員、1964年、愛媛県総合化学技術指導所研究員、1979年、愛媛県工業試験場主任研究員、1986年、愛媛県工業技術センター食品部門主任研究員、1992年、同研究企画室長、1995年、同研究企画課長、技術士(水産部門)、水産学博士。 愛媛県に入って以来、現在まで32年余りに渡り水産加工の研究・指導に従事、1980年、南極オキアミの食用化技術開発研究のため水産庁の委託で南氷洋へ、1986年、浮魚の利用加工指導のため国際協力事業団から上海市(上海水産物加工技術開発センター)へ派遣。1995年、中小企業庁長官表彰受賞。日本水産学会、日本食品衛生学会、伝統食品研究会会員。 |