平成17年6月ベトナムでレストランを経営している佐藤さんからメールで質問を受けました。
現地で入手できるかまぼこは冷凍してあるためか、すが立っているようで、美味しくありません。貴ページを参考にしてかまぼこを作ってみましたが、生臭さが残ります。(35年位前まで八幡浜に住んでおり、御社のかまぼこも美味しく頂いておりました。八幡浜高校卒業です。)どうしたら、 どうすれば生臭さを除くことができますか。
元愛媛県工業技術センターの岡先生に教えていただきました。
ベトナムからの質問にお答えします。
八水さんのどの方法で作られたかは不明ですが、小生の考えを以下に示します。 生臭さが残る原因は
1、原料魚の種類は不明ですが、鮮度が悪いことが推測できます。
2、魚種で生臭さに差があり、強い魚種である(川魚など)。
3,水晒しが不十分であること(3回以上行う)。砕肉をミンチで小さくして から水晒しをすると、生臭さが抜け、弾力も強くなる。
4,生臭さを低減するには香辛料など添加する。
5,燻製がよいと思います。高温(70℃で2時間)での温燻法が 良いように思います。ベトナムの人が食べれればの話ですが。
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再びベトナムでレストランを経営している佐藤さんから |
早速のご返事有難うございます。試した魚はこちらで”すずき”と言われている魚で、刺身で食べても多少生臭さがあります。鮮度は刺身用にはできるだけ活け締めのものを使っていますが、台所用のものは、い わゆる野締めのものを使っています。”きす”も試しました。こちらは生臭さはありませんでしたが、弾力が全く足りませんでした。
質問です。
水晒は、水にどの位の時間つけるのでしょうか。
また今日のご回答の、ミンチにして水晒にするという方法が、非常に有効なように思 いますが、溶けてしまうのではないか不安です。香辛料は、取り敢えず生姜の絞り汁を試してみようと思っています。
ベトナム ホーチミン市在”なごみ”佐藤
元愛媛県工業技術センターの岡先生に教えていただきました。
回答致します。
スズキが原料とのことで、鮮度はよいと解釈します。日本ではスズキは それほど臭みは無いと思います。ベトナム産は臭みが強いと思われます。鮮度がよいと弾力の強い蒲鉾は出来ない場合があります。
北洋のスケトウダラ も鮮度が良すぎる場合は甲板で一時期放置してから冷凍すり身の原料としております。すなわち鮮度が良すぎると弾力に関係するタンパク質が食塩に溶け難いからです。 生きている場合は殺して半日くらい冷蔵庫で保管した方が良いと思います。
微粒化法の晒しは、採肉後ミンチにかけ細かくした挽肉を5倍量の冷水に5分晒し、 3から4回換水して行って下さい。普通の水晒しに比べ、多少歩留まりは悪いですが。水晒しの目的は水に溶ける成分(汚物、臭み、旨味、水溶性タンパク質など)を流し、 水に溶けないタンパク質(蒲鉾の弾力に関係する)を精製し、弾力を強くしようとして いる作業ですので、ご心配なく。
また、ショウガを使用されるようですが、この中には、タンパク質(水に溶けないタンパク質)を分解する酵素が多く含まれておりますので、弾力が低下する場合がありますので、ご注意下さい。
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またまたベトナムでレストランを経営している佐藤さんから |
ご連絡有難うございます。貴HPを丁寧に読むと色々ヒントがありますね。昨日生姜は使わずにミンチにした”グチ”を冷水にさらした物を試してみました。 生臭さは、かなり消えましたが、弾力が足りません。ミンチの作り方は、手回しのミンチ機に魚肉300gを3回通し、1.5氷水に晒 し、5分位後に上澄みを捨て、同じくらいの水位になる程度の、氷水を加え、簡単に 混ぜて上澄みを捨てる、と言う工程で3回水晒しをしました。水温は温度計が20度 までの高温用なので測れていません。
ロンドンの方からの問い合わせの回答に有った、練ったものを放置する工程は省略し ています。晒す水の量は魚肉の5倍の量との事ですが、もっと大量の水にすると良くないですか。蒸しあがったものは、冒頭の通り、生臭さはかなりなくなったものの、歯ごたえがありません。身を押すと、水分がにじみ出ます。晒したものは、タオルにいれたものを両手だけで強く絞っていますが、もっと強く絞 る必要がありますか。調味料は、酒とみりんを煮切った物を使っています。これに塩を溶かして、魚をすり鉢で擂っています。する時間は10分位です。塩や酒、みりんを入れる順番は有りますか。塩分は、あまり塩辛いものは作りたくないのですが、(”いたわさ”にも使いた い)、下限は何%位まででしょうか。魚にもよると思いますが。
”なごみ”佐藤
元愛媛県工業技術センターの岡先生に教えていただきました。
回答します。
ミンチ機に3回通すとありますが、1回で良いと思います。摩擦熱が発生し、タンパク質が変性し、弾力低下の原因になります。晒し法は良いと思いますが、脱水は2枚重ねのガーゼ、麻袋など比較的 目の荒いものがよく、タオルは絞り難いと思います。
晒し水量は5倍と決まった いるわけでありませんが、5倍が適当と判断しております。かまぼこを押すと水分が出る状態は弾力が形成されていない状態です。すり鉢ですっている時に粘りが 出ていると弾力が出る可能性がある証拠です。すり鉢に晒し肉を入れ、食塩を 2.5%最初に加え、氷10%程度を用意しておき、少しずつ加えていきます。人にも寄りますが、5~10分すると粘りが出てきます。これは魚肉タンパク質が 食塩に溶けた証拠です。この状態にならなければ弾力は出ません。弾力が出れば 酒、みりんなど加え、混合します。また、肉のりが硬めであれば、氷水を加え調製 する場合もあります。氷量は合計15~20%が普通です。晒し肉の水分が多かったり添加水量が多ければ弾力は弱くなる可能性はあります。
グチは蒲鉾原料として 最適ですが、40℃で20分坐り(成形した後ほうちすること)をしたものとしないものを比較する効果がわかります。
食塩は蒲鉾造りには欠かせない添加物です。最低 2.0%が目安ですが、氷など添加で%は変わります。原料の種類、鮮度で製法の 確立を目標にメモなど記録しておくと役立つものと思います。
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4通目!ベトナムでレストランを経営している佐藤さんから |
しばらく忙しく、試作が進んでいませんでしたが、今日やっと実験できました。魚は日本名は不明ですが、海水魚で、こちらでさつま揚げに使っている魚を使いまし た。フナを大きくしたような形で、うろこはかなり大きい魚です。身は柔らかく、3枚下 ろしにせず、スプーンで身を掻き取っています。
時間の都合で掻き取った身を2~3日冷凍しておいた物を使いました。 生臭さは消えました。ただ八幡浜で食べていたようなプリンとした食感が無く、硬さ は良いと思うのですが、ポソッとした様な感じになります。すり鉢で擂る時間は45 分位でした。卵白も少し加えました。 プリンとした食感にするにはどうすれば良いのでしょうか。硬さと弾力の関係が判らなくなりました。もう一息だと思うのですが、その一息が難しいのでしょうか?
”なごみ”佐藤
元愛媛県工業技術センターの岡先生に教えていただきました。
回答します。
魚種によって蒲鉾形成能(弾力の強さ)に差があり、すべての魚が蒲鉾原料になるとは限りません。イワシなどは鮮度が良くても弾力形成が難しく、昔からつみれ原料として利用しています。また、エソ、グチなどの蒲鉾原料として適した原料でも、そのまま冷凍(-20℃以下)すると蒲鉾形成能はかなり低下します。
冷凍(ー20℃以下)をする場合は、晒した魚肉をガーゼなどで搾り、その脱水肉に 5%の砂糖を加えると弾力低下を防ぐことができます。
すり鉢を使用されておりますが、ミキサーに脱水肉を入れ、食塩2.5%。氷水10%、調味料など加え、40秒回せば肉のりが得られます。これを成形し、加熱すれば製品 が出来ます。少量の場合は便利です。ただ、目的の製品が出来るかどうかはいろいろな 魚種で検討し、データを取っておく必用があると思います。基本的には鮮度が良く、白身で、比較的ベトナムで漁獲される魚種で、価格が安いものが理想です。
いろいろの魚種から調製した脱水肉をすり鉢に入れ、食塩、氷水を加え、20分くらい摺ると粘りがでます。粘りが出れば弾力が出る証拠で、出なければ弾力は期待できません。
また、ねばった肉のりを成形(板付け、天ぷら状など)し、室温に1時間ほど放置してから加熱をすれば弾力は強くなります。
揚げ蒲鉾では肉のり作成時澱粉を5%程加える方が良いです。蒲鉾の場合も澱粉を加えると弾力の補強になります。暑い外国で、機械もないところで練り製品造りは大変でしょうが、データを積み上げ、頑張って下さい。
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